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「蒼二さん、ペースが速いよ。そんなにイキまくってたらもたないよ」
太ももを震わせて余韻に浸る蒼二をとがめるように、紘希は持ち上げた手で胸の尖りをつまみ上げる。きゅっと力をこめて指先でこねられると、身体をのけ反らせて蒼二はまた絶頂する。
「あ、ぁんっ、紘希、壊れちゃう。気持ちいいの止まんない」
「じゃあ、いまはもっと気持ちよくなってて、俺にもイかせて」
「紘希、抱きしめたい」
「うん、いいよ。待ってて」
甘えた声でねだる蒼二にふやけた笑みを浮かべる紘希は、しわくちゃになった浴衣は横に避けて、ゆっくりと抱きしめた身体をシーツの上に横たえる。しかし繋がりっぱなしだった熱を引き抜かれると、そこは物足りないと言わんばかりにひくついた。
それを自分でも感じ取って、蒼二は恥じらうように目を伏せる。けれど足を抱え上げられ、再びぬかるむ中へと熱を押し込まれると潤んだ目で紘希を見上げた。
「その顔、色っぽくてたまんないね」
奥へ深くへと腰を進めた紘希は蒼二に覆い被さるように身体を傾ける。それを嬉しそうに見つめて、蒼二は両腕を伸ばして背中を抱きしめた。
「ぁっあっ、ぅんっ、きもち、いい。そこもっと、ぁっ、いいっ」
「はあ、蒼二さん、もっと締めて、そう。うん、気持ちいい、あっ、イキそう」
「出して、俺の中に、出して」
ゆっくりと何度も抜き挿しされると、それを喜ぶみたいに中が震える。締めつけるたびに脈打つ紘希の熱を感じて、蒼二は腰を動かしながらしゃぶるようにきつく紘希を締めつけた。そして深く穿たれると、ゴムの中に吐き出されたのを感じる。それと共に蒼二も中をひくつかせながら果てた。
「や、駄目、抜かないで」
「こら、蒼二さん。駄目だよ、外れて漏れたら意味ないでしょ」
身体を起こそうとした紘希の背中を蒼二はきつく抱きしめたが、額や頬に口づけを落とされなだめすかされる。けれど身体はイキすぎて力が入らないくらいなのに、まだ足りないと心のほうが満足できていない。不服そうに紘希を見つめたら、肩をすくめて息をつかれる。
「今日はもうおしまい」
「やだ、足りない」
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