0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
僕は昔いじめられていた。狂気と笑顔に包まれた教室の隅で袋叩きにされにされ、泣いても誰も助けてくれない。
そんな絶望的な状況の中、朦朧とした頭で考える。なぜこんなことになってしまったのだろうと……
答えは簡単だ。全ては、こんな世界を創り出した神が悪いのだ。
僕は心の中でいもしない神を恨んだ。
僕は大嫌いなんだ。不平等で理不尽で、生まれた時から運命というレールの上をただひたすら走らされるこんな世界が………
そんなことを考えている間に、さっきまでいたギャラリーは少しづつ少なくなっていた。おそらくそろそろ授業が始まるのだろう。いじめっ子もそれを理解しており、トドメの一撃と言わんばかりに拳を高く振り上げている。
はぁ、本当に………
「こんな世界大嫌いだ!!!!!」
そう叫んだ瞬間。頭の中で聞き覚えのない声が響いた。
「じゃあさ、お前がかわりにやってみろよ。」
「え………?」
「お前が今目の前のこいつに思ってること、素直に口に出してみな?」
そう言われると体からスーと力が抜けて、ふわふわとしたいい気分になってくる。
これ、ヤバイ……!!
本能的に今の状態が危ないことを理解する。この感情は言葉にしてはならないと………
しかし…………
「し……。」
「し?」
「し、し………」
「なにこいつキメェ。」
そう言われるとまた殴られた。
「それ、もう一発!!」
……あぁ~、そういうことするから………
「………死ね。」
我慢できなくなっちゃうじゃん。
「……は?」
そう言い残すと彼の体は膨張を始めた。
ブクブクと音を立て、人の形を保てなくなる。
「あ、ぁぁ………たす、た、助け………」
化け物がなにいった気がしたが多分気のせいだろう。
「ははっ、スゲーたのし~。」
パァンという音ともにあいつは破裂してしまった。
「もうちょっと楽しみたかったのに………ふふっ」
綺麗な赤が教室を彩り、汚い臓器と脳みそ、酷い鉄の匂いがそれを台無しにするという謎の状況、そんな中僕は一人笑い続ける。
「僕の言葉は世界を変える!!」
そう叫びながら。
最初のコメントを投稿しよう!