僕の言葉が、世界を変える。

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僕は昔いじめられていた。狂気と笑顔に包まれた教室の隅で袋叩きにされにされ、泣いても誰も助けてくれない。 そんな絶望的な状況の中、朦朧とした頭で考える。なぜこんなことになってしまったのだろうと…… 答えは簡単だ。全ては、こんな世界を創り出した神が悪いのだ。 僕は心の中でいもしない神を恨んだ。 僕は大嫌いなんだ。不平等で理不尽で、生まれた時から運命というレールの上をただひたすら走らされるこんな世界が……… そんなことを考えている間に、さっきまでいたギャラリーは少しづつ少なくなっていた。おそらくそろそろ授業が始まるのだろう。いじめっ子もそれを理解しており、トドメの一撃と言わんばかりに拳を高く振り上げている。 はぁ、本当に……… 「こんな世界大嫌いだ!!!!!」 そう叫んだ瞬間。頭の中で聞き覚えのない声が響いた。 「じゃあさ、お前がかわりにやってみろよ。」 「え………?」 「お前が今目の前のこいつに思ってること、素直に口に出してみな?」 そう言われると体からスーと力が抜けて、ふわふわとしたいい気分になってくる。 これ、ヤバイ……!! 本能的に今の状態が危ないことを理解する。この感情は言葉にしてはならないと……… しかし………… 「し……。」 「し?」 「し、し………」 「なにこいつキメェ。」 そう言われるとまた殴られた。 「それ、もう一発!!」 ……あぁ~、そういうことするから……… 「………死ね。」 我慢できなくなっちゃうじゃん。 「……は?」 そう言い残すと彼の体は膨張を始めた。 ブクブクと音を立て、人の形を保てなくなる。 「あ、ぁぁ………たす、た、助け………」 化け物がなにいった気がしたが多分気のせいだろう。 「ははっ、スゲーたのし~。」 パァンという音ともにあいつは破裂してしまった。 「もうちょっと楽しみたかったのに………ふふっ」 綺麗な赤が教室を彩り、汚い臓器と脳みそ、酷い鉄の匂いがそれを台無しにするという謎の状況、そんな中僕は一人笑い続ける。 「僕の言葉は世界を変える!!」 そう叫びながら。
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