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頭の上の方から、
『それは少し違う。逆転送は出来る。ただ、その後で君の体はドロドロに溶けてしまい、
その処置が大変なんだ……。異臭もあるしね……。おそらく、転送時のエネルギー負担に、人体が耐えられないため――だと思われるのだが……』
「だから私は、この患者の体内で、患者の抗体によって死ぬ――という訳ですか……。間もなく私は元の大きさに戻り始める。そうすれば抗体は、私を異物と判断して、
攻撃を始めますからね……」
『いやいや、ちよっと違う。君はその博士の頭の中で、しばらく生きてもらう』
「それは、どういう事ですか?」
『こちらでも色々と協議した結果なんだが……。今後も長官が、同様の病にかかる可能性もあるんでね……』
「だけど、この状況で私が生きつづけるりは、不可能でしょう……」
『たしかに窮屈だろうが……不可能ではない……』
「じゃ、例えば食事は?」
『博士の食道の直前から君がいるところまで、特殊な穴を開けておく。君は、そこまで降りていって、博士が食べた物の一部を取って食べればいい。君の体の大きさなら、ほんの少しで満腹になるハズだ。後で、こちらの外科医にやらせる』
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