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男は多分二十代半ば。
どちらかといえば
イケメンと呼ばれる
部類に入る痩せた長身の男だった。
切れ長の目の奥には
「優しさ」を湛えた
視線を
わたしに送ると
わたしが
彼の問いかけを無視して
歩き出したからなのか
もう一度
「リヨンちゃん。無視しないでよ」と
小走りに
わたしを追って来て
キャリーバッグを持つ
わたしの左手を掴んだ。
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