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「あのさー、これってやっぱ夢、かなあ?」
漫才サイコー!アンコール!という手拍子で我に帰った私は、自分のジョッキを岩田くんの口にあてて、ビールを無理矢理流し込んだ。
「岩田くん!これはぜっったいに夢です!!」
「ぶはっ!げほっげほっ!」
「いいから飲んで!そしてもっかい寝ようか!あ、すみませーん。生中おかわりで」
「はーい」
「げほっげほっ!そっか夢か。じゃあ飲むか」
「はいお待ち。生中でーす!」
「ありがとうございます!」
そうだ。
夢だ。
たんと飲んで眠るがいい。
私の温くなったビールをごくごく飲む岩田くんを尻目に、今届いた冷えたビールを飲む私。
うん、出汁巻玉子も美味しいよ。
大盛況のアンコール漫才に触発されたマキノ課長が、「俺、歌う!」と言い出した。
リンダリンダ~!
キャー!ぎゃはははは!!!
激しいヘッドバンキングで飛んでいったマキノ課長のカツラを見て、新人くん達が目を剥いた。
課長がウケてるからって新人くん達、なんか落ち込んでない?
新人だから知らなくて当然だけど、課長のヅラネタは飲み会の定番だから!
もうお決まりネタで笑ってるだけで、君たちのネタの方が斬新だから!
さすがですマキノ師匠参りましたじゃないから!
そもそも君達は、何を目指しているのか?
会社員に芸人スキルいらないからね!
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