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「何年か前に、俺の俳句が新聞に掲載されたろ。念のため、あの切り抜きを持っていきたい」  この「念のため」には、さすがの母も大きなため息をついたのを聖里は見逃さなかった。  聖里が通う高校は二学期の中間テストが終わり、試験休みに突入している。朝の時間をのんびりと過ごそうとしていたものの、おかしな探し物で奔走される始末。聖里は不満げな表情で父親のデスク周りや本棚を確認してまわった。  結局、件の切り抜きは母親が発見した。郵便物をまとめている引き出しの中にあったという。郵便物でもないのに、なぜそんなところに? というクレームを聖里は抱きかけたが、もはやそれどころではなかった。  捜索の途中、一枚の不気味な紙を発見し、心を奪われていたのだった。
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