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「……お飲物は如何です」
「……ええ、頂くわ」
クーデリアの声を受けたスティリアは強張りかけた口調で応じながらトレイに載せられたゼクト(スパークリングワイン)が満たされたフルート型のグラスに手に伸ばし、その際に不自然にならない様な動きで顔をクーデリアの顔に近付けて笹穂耳に小声で囁きかける。
「……なぜ、自ら辱しめを」
「……見て頂きたかったのです、貴女に私の身体を」
スティリアの言葉を受けたクーデリアは小声で囁き返し、その言葉を受けたスティリアが戸惑いながらグラスを手に取ると静かに言葉を続ける。
「……この身体は既に汚し尽くされています、ですがそれでも懸命に身を清めました、私が全身全霊をかけて挑んだ貴女にこの身体を見て頂きたかったんです、スティリア・フォン・ロジナ、貴女と戦えた事はわたしの誇りです」
クーデリアの言葉を受けたスティリアはグラスを手にクーデリアから離れ、クーデリアは微笑みながら一礼した。
クーデリアの微笑みはこのまま彼女が消え去ってしまうのでは無いかと思う程に儚く頼り無げであり、その笑顔を目にしたスティリアは一礼して離れ様とするクーデリアに声をかける。
「待ちなさい」
スティリアに声をかけられたクーデリアは怪訝そうな面持ちで立ち止まり、スティリアはクーデリア扇情的な下着姿に身体の奥が疼くのを感じながら言葉を続けた。
「一口毒味をして貰うわ口を開けなさい」
「……畏まりました、スティリア様」
スティリアの言葉を受けたクーデリアはそう言うと微かに口を開き、スティリアは開かれたクーデリアの口にグラスを当てると慎重にそれを傾けてクーデリアの喉にゼクトを流し込んだ。
「……ッンク……い、如何でしょうかスティリア様」
クーデリアは仄かに頬を赤らめながら問いかけ、スティリアはその反応に身体の奥を更に疼かせながらグラスを手渡して言葉を続ける。
「……大丈夫の様ね、一口飲ませて頂戴」
「……畏まりました、スティリア様」
スティリアの重ねた言葉を受けたクーデリアはそう答えながらぎこちない手つきで手にしたグラスをスティリアの口元へと運び、スティリアがそれにあわせて微かに口を開けてグラスを受け止めると躊躇いがちにグラスを傾けてスティリアの口内にゼクトを流し込む。
「……ッンックッ……ありがとう、もう行っていいわ」
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