きれいなわたし

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「あなたはきれいだよ」 いいえ。 いいえ。 「きれいな終わりだ」 きたないものをあらうように、強い強い風が吹く。 一羽のカモメが海のような空に飛んで。 道標が青に舞って。 やさしい腹の上を、白の花弁が滑る。 あなたがきれいと言ったわたしが、ちりぢりに世界に吸い込まれていく。 「ほら、きれいだろう」 そうね 「きれい」 それが最後のわたしだった。
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