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「おしるこ」と「コーンポータージュ」の争い
「ホットコーヒーさん、聞いてくださいよ。」
「いや、ホットコーヒーさん、僕の話を聞いてくださいよ。」
「おう、どうした、おしるこにコーンポタージュ。」
「それがね、コーンポタージュの奴が、おしるこは甘すぎて何が良いのか分からないって言ってくるんです。」
「ちょっと待てよ、それなら、おしるこの奴だって、コーンポタージュの甘みは、甘いのかどうか分からない、中途半端な甘みの何が良いのか分からないって言ってきたんですよ。」
「それで、お前らはどうしたいんだ。」
「僕は、おしるこの方が、甘くておいしいって、こいつに認めさせてやりたいんです。」
「僕だって、コーンポタージュの方が、まろやかな甘みでおいしいって、こいつに認めさせてやりたいんです。」
「そういうことか。
なあーお前ら。お前らは何のために存在してる。」
「僕は甘ーい味で、体の隅々まで甘さを満たすため。」
「僕はほんのりした甘さと共に、何か食事をしたような気持とお腹を満たすため。」
「そうだ、それが答えだ。
俺達はその都度、求められるものに応じてその欲求を満たしてやるため、存在している。
だから、お前らそれぞれが求められたその時、その瞬間がナンバーワンだ。
どっちが上手いかなんてことを、自分で勝手に決めてんじゃねー。」
「さ、さすがだ。
僕、今日からコーンポタージュと仲良くやっていきます!」
「僕も、おしること仲良くやります!」
ゴトン。
ゴトン。
『私、今ダイエット中なんだけど、やっぱりたまには甘ったるいおしるこ飲みたいよねー。』
『分かるー。私もダイエットしてるけど、コーンポタージュのほんのりした甘みと、少しの量でも何だかお腹が満たされる感じがたまらなーい。』
「、、、。
お前らの中にあるツブツブの数だけ、良い出会いが待ってるはずだぜ。」
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