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お茶のチャチャチャ
「ホットコーヒーさんよ、ちょっと聞いてくだされ。」
「おう、どうしたお茶爺。」
「それがのう、最近めっきり足腰が悪くなって、ダンスが上手に踊れなくなってしまったんじゃ。」
「そうか、お茶爺は確か世界チャチャチャダンス大会の優勝経験者だったな。」
「そうなんじゃよ、その優勝経験者としては、ダンスが上手く踊れないことが許せなくてな、どうにかならんもんかね。」
「それは確かに自分が許せねーな。
でもよ、今まで出来たことが出来なくなっちまうことは、誰にでもある。
それを無理にやっても、本当に満足出来る奴はいないと思う。」
「じゃー諦めろと言うのか?
それならワシに生きてる意味はないんじゃ。」
「バカ野郎。
そんな悲しいこと言うじゃねー。
自分が出来なくなったからって、それであんたの人生終っちまうぐらい、あんたはしょっぱい奴じゃないだろう。
自分が出来ないことを、次の若い奴らに教え、それを託していくことも大切なことなんじゃねーのか?」
「そうじゃな。
ワシのダンスの技や想いを、次にの若い者に託す。
それも立派な人生じゃな。
ありがとう、ホットコーヒーさんよ。」
ゴトン
『いやいや、やっぱりお茶が1番よの~。
このお茶の美味しさを若い者にもっと知ってもらうのが、今のワシの人生で何よりの生き甲斐じゃ。』
「、、、。
あんたに比べたら、俺も人生まだまだこれからだな。」
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