お茶のチャチャチャ

1/1
前へ
/14ページ
次へ

お茶のチャチャチャ

「ホットコーヒーさんよ、ちょっと聞いてくだされ。」 「おう、どうしたお茶爺。」 「それがのう、最近めっきり足腰が悪くなって、ダンスが上手に踊れなくなってしまったんじゃ。」 「そうか、お茶爺は確か世界チャチャチャダンス大会の優勝経験者だったな。」 「そうなんじゃよ、その優勝経験者としては、ダンスが上手く踊れないことが許せなくてな、どうにかならんもんかね。」 「それは確かに自分が許せねーな。 でもよ、今まで出来たことが出来なくなっちまうことは、誰にでもある。 それを無理にやっても、本当に満足出来る奴はいないと思う。」 「じゃー諦めろと言うのか? それならワシに生きてる意味はないんじゃ。」 「バカ野郎。 そんな悲しいこと言うじゃねー。 自分が出来なくなったからって、それであんたの人生終っちまうぐらい、あんたはしょっぱい奴じゃないだろう。 自分が出来ないことを、次の若い奴らに教え、それを託していくことも大切なことなんじゃねーのか?」 「そうじゃな。 ワシのダンスの技や想いを、次にの若い者に託す。 それも立派な人生じゃな。 ありがとう、ホットコーヒーさんよ。」 ゴトン 『いやいや、やっぱりお茶が1番よの~。 このお茶の美味しさを若い者にもっと知ってもらうのが、今のワシの人生で何よりの生き甲斐じゃ。』 「、、、。 あんたに比べたら、俺も人生まだまだこれからだな。」
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加