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遊びのキス
ちゅっ
…あっ、キスって音がするんだ。
って、冷静に考えている場合じゃない!
「えっ…何?」
私は目の前の少女に声をかける。
そう『少女』。私と同じ、オンナノコだ。
なのにいきなりのキス。
…ありえなくね?
「えへへ」
なのに彼女は満面の笑顔。
「だぁってしたかったんだもん。遊び遊び」
笑顔のまま背を向け、そのまま教室から出て行った。
…何なんだ?
今の状況を思い返してみると…。
そう。放課後、日直の日誌を書いていた私に、彼女が声をかけてきた。
彼女は忘れ物をして、教室に戻って来たと言っていた。
教室にはすでに私達以外、誰もいなかった。
他愛も無い会話をしていた。
なのにいきなりのキス。
…はっきり言って、分からん。
彼女は今時の格好をしていて、お人形さんのように可愛い。
私は真面目な格好で、…まあ可愛いまではいかなくてもフツーの顔だ。
いつも一緒にいるワケでもなし、会話なんてホントにクラスメートだから最低限しかしたことがない。
なのに何故?
理解できないまま、数日が過ぎ―。
彼女は私と二人っきりの時や、人気の少ないところでキスするようになった。
………やっぱり何故?
聞こうとしても、彼女はキスするとすぐにどこかへ行ってしまう。
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