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弁当を食べ終えたらコンビニに赴く。
十分な満足感を得る為に菓子パンを購入する必要があるからだ。
あんドーナツやホイップパンなどの、油分と糖分を効率良く摂取できる物が好ましい。
それらを手に入れたなら、同じく公園にて、恍惚とした面持ちで食べるのが常だ。
ここでも噛む事は控え、基本は飲む。
柔なかなパンは飲料と考えても差し支えないのだ。
午後の業務。
すっかりお腹を満たしたふくらおじさんは、睡魔との戦いに明け暮れる。
揺らぐ視界、薄れゆく意識を繋ぎ止め、どうにかして仕事をしている体を装うのだ。
当然だが手は止まっている。
オフィス勤めである事が幸いし、パソコンに向かっているだけで給料が発生するので、ふくらおじさんにとっては天職のような仕事である。
頻繁に叱られるという難点に目を瞑ったのなら、であるが。
終業後。
2時間程度の残業を終え、ふくらおじさんは一直線に駅へと向かう。
酒は飲まない。
その代わり、一抱えはあろう菓子類を売店で購入し、それを長い帰宅路の供とする。
煎餅、チョコレート、大福。
口の中が乾いた頃に、砂糖で飽和したジュースを喉に流し込む。
ゴクリ、ゴクリ、ゴクリ。
この時ばかりは呼吸すら忘れ、甘味なる世界に没入するのだ。
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