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「夕ってちゃんと仕事できるの…」
「たまにコンディションが最悪な時があるけど、基本的には優秀だよ。まぁ俺跡継ぎでも何でもないから夕くらいが気が楽で丁度いい」
コンディションが最悪…確実にご主人様よりゲーム優先してるじゃん。流石過ぎるな…
「俺の話ってどんな話?」
「時雨が引っ越してきた時は普段は何でもかんでも面倒くさそうにしている癖にやけに嬉しそうに話してた。まぁ夕は俺の都合で中等部からここに転校してきてるから」
眞弥は前と同様にいきなり俺の顎を掴んで顔を近付けてきた。
「ていうかそれ自分でやったの?素人感滲み出過ぎ。俺が直してあげる」
「あ、ありがとう」
眞弥は持参しているらしいコスメポーチを取り出すと俺を鏡の前に座らせた。
「もしかしてだけど、化粧が趣味なの?」
「いや、スキルとして必要だと思ってるから出来るだけ。やれるならデザイナーになりたい」
「服の?見てみたいかも」
「仕事に出来たら夕から連絡させる。時雨、目閉じて」
パレットからピンクブラウンのアイシャドウをブラシに取りながら眞弥は俺に微笑んだ。
「俺の手にかかれば時雨はもっと可愛くなれるよ。1年で残るのは俺達で確定かな」
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