女装コンテスト

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「はぁ、まさかのスカートバージョンの制服か」 俺が次の日に渡された衣装は、男のロマン溢れる桜丘学園の制服in女子高生バージョンだった。しかもスカートの丈は短め。これ多分祭が見たら怒るんだろうなぁ… 胸元までの長さの巻き髪ダウンのブラウンのウィッグに、赤のリボンに青のチェックが控えめに入ったスカート。成程な、これが皆の理想の桜丘JKか。 「とりあえず着て貰っていい?サイズ見たいから」 「分かった」 クラスの委員長に促されて俺は更衣室に入った。 姉さんから無理矢理持たされた化粧ポーチでまずは顔を作っていく。見様見真似だけど手順がしっかりしているせいか自分の手でも顔が変わっていくのが分かる。誠に不本意ではあるけれども。 「よし、可愛いぞ。俺」 姉さんにして貰った時程の透明感はないけれど、しっかり可愛くなった。まぁこれならスカートを履いても違和感が無さそうだな。 衣装を着終わったので更衣室から出ると、委員長に品定めをするような視線を向けられた。委員長は何故だか俺を見て嬉しそうにうんうんと頷いている。 「これは勝ったな」 もしこの女装コンテストで俺が優勝すれば、教室の黒板の上に表彰状が残るしトロフィーも飾られる。女装コンテストは一見個人種目のように見えるが、クラスで俺をプロデュースするから一応団体種目みたいな扱いらしい。その飾られたトロフィーを見ても何が嬉しいのか俺は到底理解出来ないんだけれども。 でも龍一先輩曰く優勝すればペアでホテルのビュッフェの招待券が貰えるらしいし、それを手に入れる為にも頑張るぞ… 「サイズは大丈夫そう?」 「うん、大丈夫」 特にキツくも緩くも無いし本番もこれでイケそうだ。 「にしても本当に可愛いな…」 「あ、うん…」 委員長の熱っぽい視線を感じて冷や汗が出てくるせいで俺たちの間に微妙な空気が流れてしまっている。そんな目で見られても…確かに俺が可愛いのは分かるけどさ…!
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