ロックオン

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ロックオン

 理事長室に優輔を案内してから、職員室に戻り、自分の席に落ち着いた藤谷は、ほとんど夢見心地だった。  ……呉林優輔か。  今日、新しい教師と顔合わせすることは聞いていたが、まさかあんなに美しい青年が来るとは思ってもいなかった。  まだ少年と言っても通りそうなくらい、顔立ちはあどけなくて、大きくて綺麗な瞳が信じられないくらい愛らしかった。  なのに、どこか色気もあり、素直で嫌味がなさそうな感じも、まさに藤谷の好みのタイプだった。  男ってところが少々引っかかるが、このときめきを前にすると、性別などどうでもいい気がしてきた。  あの大きな瞳で見つめられ、少しふっくらとした唇で名前を呼ばれたら、オレはもうそれだけで、イってしまいそうだ……。  優輔……。  決めた。絶対、あの人をオレのものにする……!  藤谷は優輔を完全にロックオンしたのだった。
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