運命の神様

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運命の神様

   しばらくすると、理事長が優輔を伴い、職員室へ入ってきた。  教師たちを集めると、優輔の紹介を始める。 「今年から新しく英語科の教師として、我が校で勤められる呉林優輔くんです。呉林くんはM大学を卒業したあと、三年間海外留学をされて、我が校へ来られました。先生方、呉林くんは初めての職場で緊張されているので、いろいろ力になってあげてください」  藤谷は理事長の話を聞き、頭の中で素早く計算をした。  大学を出て、三年間留学してたっていうことは、最低でも同い年か、年上。  頼りなげだから、てっきり年下かと思っていたけど。  つらつらとそんなことを考えていると、隣に立っている新井に脇腹を肘でつつかれた。
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