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心強い存在
なんとか挨拶を済ませて、用意されていた自分の席に座った優輔は、安堵の溜息をついた。
先に送っておいた教科書や参考書などを整理しながら職員室を見渡すと、先ほど理事長室まで案内してくれた藤谷が向かい合っている斜め前の席にいた。そのことに安心感を覚える。
優輔はもともと人見知りが激しい。
だから教職に就く前に海外留学をして自分をきたえようとしたのだが、生まれついての資質というのはそんなに簡単に治らないものだ。
藤谷は一見とっつきにくそうな美青年だが、その冷たそうな見た目と裏腹にとても優しく親しみやすい。
挨拶のときも笑いかけてくれたし……。
引っ込み思案の優輔にとって、藤谷の存在はとても心強いものだった。
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