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二軒隣に住んでいた同じ年の彼と二つ下の弟の壮太(壮ちゃん)とは、物心がついた時には既に仲良しだった気がする。
お互いの家や、公園でいつも3人で一緒に遊んでいたし、家同士の付き合いもあったので、一緒に海に行ったり、初詣に行ったりなんてことも頻繁に有った。
しかし、小学6年生の夏ことである。突然、彼の家族が簡単に行けるような距離ではないところに引っ越してしまったのだ。
ずっと一緒に大人になって行くものだと勝手に思っていた私には、それは大きなショックであった。
私は、恭ちゃんから何らかの連絡があることをずっと期待していたが、結局、それ以来一本の電話すら掛かっては来なかった。
それから私の心には大きな穴が開いてしまい、そこから一気にぬくもりが奪われてしまった気がする。
その彼からの電話である。
すっかり声変わりした男らしい声を耳にした私はすっかり緊張してしまい、聞きたいことが沢山あったはずなのに何も頭に浮かんで来なかった。私は、彼の話を聞くばかりであった。
それでも、急ではあったが彼からの誘いで翌日に会うことになったから結果オーライ。スマホの電話番号も交換出来たことは凄い収獲であった。
そして今日、これからその小学6年生の夏に別れて以来5年ぶりの再会となる。
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