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少し遅めなのは、休日の彼女はお昼まで寝ているせいで、いつも同じ時間になる。
偶然だなあ。
恭ちゃんも起きるの遅いのかなあ・・・なんて。
偶然・・・んっ、偶然?
あれ、ホントに偶然だろうか?
昔の恭ちゃんは早起きだった気がする。
何か思い込みのような・・・気もする。
こんな時は、一応、メモしたスマホのカレンダーを確認するべきだ。
そう思い、慌ててスマホのカレンダーを確認してみると
「まずっ!」
メモされている時間はなんと13:30。
一気に血の気が引く。
なんでそんな勘違いをしたんだろ?
なんて悔やんでいる場合ではない。
既に30分の遅刻。電車を降りて、公園までは走ると5分も掛からないけど、更に遅刻である。
「最悪!」
私は電車が駅に着くのが待ちきれず、自然、扉の前で足踏みを繰り返してしまう。そんな私を見て、
「この電車、トイレありますよ」
なんて、親切に声を掛けてくれる上品そうなおばさん。
あ~トイレと間違われてしまったあ。
顔から火が出そうに恥ずかしいけど、親切にはちゃんと応えなければならない。
「あっ、すみません。トイレは大丈夫です」
こう返すのが精一杯。私は流行る気持ちを抑え、足の動きを強制的に止める。
むずむずするが、そこは我慢だ。
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