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でも、私は約束を守らなければならない。既に約束の時間に遅れているけど。
急げっ!
息を切らし走ること5分弱、公園の待ち合わせ場所に着いた。
そこには、一人の男性が立っている。
面影もあるし、雰囲気的に恭ちゃんに間違いなさそうである。
やっぱり遅れた私を待っていてくれた。怒ってもなさそうである。
彼は昔から物凄く優しい。
しかし、待ち合わせ場所で待っていた彼は、背丈は私よりも少し高そうだが、昔通り少し幼くて頼りなさそう見える。
なんだか駅での出来事がもったいなかった感が頭を過ってしまう。
でも、がっかりなんて出来る立場ではない。
「ごめん、待ち合わせ時間を間違えてたの。それに電車の中で気づいて走ってきたんだけど・・・。
ホントごめんなさい」
私は、彼に駆け寄り平謝り。
「ああ、やっぱそうだと思った」
「ホント、ごめんなさい。取り敢えずあそこの・・・」
私は一休みしたいのと、お詫びがしたかったので、公園の傍にあるカフェに誘おうとしたところ、
「ちょっと、待ってて。今、遅いから迎えに駅まで行ってるんだ」
「他に誰かいるの?」と言いかけたが、彼が電話を掛け始めたので、途中で言葉を飲み込んだ。すると電話を掛けるまでもなく、
「あっ、戻って来た」
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