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 昼飯はばあちゃんお手製のカレーだった。美味くて三回もおかわりしてしまった。そして少し休憩して、午後の部の雪掘りを開始。しかし、雪の山が減った気が全くしない……どう考えても今日中に終わらせるのは無理だ。泊まって明日もやろう。  それに、さすがに疲れがかなりたまってきた。疲れた状態で雪掘りをするのは、実はかなり危険でもある。明日もやるのなら、もう無理しなくてもよかろう。  時間は15:30 。俺は作業をやめることにした。こんなこともあろうかと、一応着替え等も持ってきてある。だが、必要ないかと思って俺はそれらを車の中に置いてきてしまった。取りに行かなくては。  駐車場で着替えの入ったバッグを車から取り出し、来た道を戻ろうとした時だった。  俺はそこで、信じられないものを見てしまった。 「!」  白い和服を着た女が、しずしずと前から歩いてくるのだ。  肩まで伸びたストレートの黒い髪。顔は真っ白だが唇だけがやけに赤い。手も透き通るように白い。俺と目が合うと、その女は妖しく微笑んだ。この世のものとは思えないくらいに、美しい。  そう、この世のものとは思えない……  その形容は、心底俺を慄然とさせた。  雪女……?  いや、まさか……そんなものが、存在するはずが……  彼女は俺の前で歩みを止める。 「こんにちは」  彼女の方から声をかけてきた。温度を一切感じさせない、アルトの声。 「こ……こんにちは……」俺の声が上ずる。雪掘りの直後でまだ体がほてってるはずなのに、震えが止まらない。 「ここで何をなさっているの?」 「あ……あなたこそ……何を……」     
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