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私はそんな自己中心的な性格が出てき始めた父が嫌いになっていった。
――なぜお見舞いに連れて行ってくれないの?
思えば自己中心的な行動は離婚前にすこし思い当たることがあった。
仕事が忙しくなった、という理由でそれまで一緒に家にいてくれた父が突然、祖母に私を預けると言い出したのだ。父のお母さんとお父さんは既に他界していた。
祖母はこのとき戸惑ったに違いない。その胸中を察するのは今では容易だ。
それからずっと、母が亡くなってからも私は祖母のもとで暮らしていた。
母が亡くなり、精神的にもつらかった私をいつも自慢の手料理でもてなしてくれた。
そんな、祖母の味が大好きだ。
私が高校に入ってからも、祖母と私の共同生活は続いていた。
ようやくまともに家事や料理のお手伝いができるようになった頃、本格的に自分も料理を作ってみたいと思うようになった。
高校に持ってく弁当はいつも祖母が朝早くから作ってくれていた。
今まで私を育ててくれた祖母に恩返しがしたかった。
そんなこともあり、私はいつも祖母の料理を手伝いながら密かにその作り方をじっと見ていた。レシピを盗もうとしたのだ。
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