サイコパス診断

　駅前商店街の近くの、小さな派出所。昼下がりののんびりした時間、二名の警官が雑談をしている。
「今日もヒマですねえ」
　つい最近配属になったばかりの、後輩の警官が眠そうな声で呟く。
「ここら辺はもともと治安のいい所なんだ。俺が配属されてからも、凶悪事件なんて起きたことがない。せいぜい万引きぐらいしか聞いたことがないよ。他は遺失物とか道を聞かれるぐらいだなあ」
　ここに勤務して二年になる先輩の巡査部長が笑う。
「なんだか別世界みたいな所ですよね。だって世の中凶悪事件は後を絶たないじゃないですか。ここ数年、異常な連中は寧ろ増えてるように思うんですよね」
「サイコパス診断って知ってるか」
　唐突に先輩の方が話題を振った。
「何ですか、それ？」
　後輩が興味深そうに訪ねる。