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「こうやって正面から見ると裸エプロンみたいでしょ?」
「……っ!?は、はだ……!?」
アイリスの言葉を受けたミリアリアは更に真っ赤になりながら狼狽し、アイリスは悪戯っぼく微笑んでミリアリアの反応を楽しげに見詰めながら言葉を続けた。
「……貴女と2人っきりだったらホントに裸エプロンでも良かったんだけど今は皆いるでしょ、だから普通のエプロン姿なのよ」
「……ふ、普通って」
アイリスの言葉を受けたミリアリアは真っ赤な顔で口ごもりながら一見しただけだと裸エプロンかと錯覚してしまうアイリスの姿を見詰め、アイリスは楽しげに、そして愛しげに真っ赤になったミリアリアの顔を見詰めながら言葉を続ける。
「……今度2人だけの時があったら裸エプロンでご飯作ってあげるわ、その時のあたしは無防備だから悪戯したりそのままあたしを料理して食べちゃっても構わないわよ」
「……っ!?」
アイリスの言葉を受けたミリアリアは茹で蛸の様に真っ赤になりながら絶句してしまい、その様子を目にしたアイリスが絶句してしまったミリアリアに対して蠱惑に微笑みかけた後に料理に戻るとミランダがオレンジソースを仕上げながら囁きかけてきた。
「……アイリス殿、やはり貴女はミリアリア殿の事を」
「……彼女を見た瞬間、目覚めたあたしは彼女に全てを埋め尽くされたの、魔王の筈のあたしは彼女に惑わされ埋め尽くされてしまったの、笑っちゃうでしょ」
ミランダに声をかけられたアイリスは頬を仄かな桃色に染めながら小声で返答し、ミランダは小さく頭(かぶり)を振りながら言葉を続ける。
「……笑いません、とても素敵な話ですし貴女とミリアリア殿が出逢えたお陰で今の私達があるのですから」
ミランダの言葉を受けたアイリスは微笑みながら香草類を詰めた山鳩を石竈オーブンに入れ、その後に切り分けた牡鹿の肉に下味をつけながら言葉を続けた。
「嬉しい事言ってくれるわね、それじゃあこれからも精一杯彼女を誘惑していくわ」
「……健闘を祈ります、ミリアリア殿の様なタイプの方は誘惑しても中々一線を越えてくれませんので頑張って下さい」
ミランダは仄かに頬を赤らめながらアイリスを激励し、アイリスはその思わせぶりな内容に微笑みを浮かべながら言葉を返す。
「あらあら、そんな事を言っちゃえるって事はそんな事を経験したり現在進行形って所なのかしら?」
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