誘い

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アイリスがそう告げるとリラックスした表情を浮かべていた一同は表情を引き締め、アイリスはその反応に満足気に頷いた後にテーブル上にダンジョン周辺の地図とラステンブルク伯国へ撤退中のヴァイスブルク伯国残党を示す緑の光点を表示させながら口を開いた。 「あたし達の方針は先ずラステンブルク伯国に移動中の貴女達のお仲間さん達の救出よ、もう精細は聞いてると思うけどラステンブルク伯国とロジナの屑どもと何らかの裏取引をしている可能性があるの、だから彼女達と接触して取りあえずこのダンジョンで保護するわ」 三者会談の後にミランダやミリアリアからラステンブルク伯国の疑惑の事を伝えられていた女エルフ達は厳しい表情で頷き、それを確認したアイリスは続いてダンジョンへと向かっている赤い矢印を地図上に表示させながら言葉を続ける。 「これはロジナの残党狩部隊よ、使い魔を通じてテイムした魔狼に誘導されてこのダンジョンに向かってるわ、今は野営中よ、捕らえられたらしいエルフもいるわ」 アイリスの告げた言葉を受けた一同から声にならない呻き声があがり、アイリスはそれが収まるのを待った後に厳しい表情になってミリアリア達女エルフを見詰めながら言葉を続ける。 「……それともう1つ、伝えなきゃならない事があるの、貴女達には酷な話になると思うけど」 「……構わない、伝えてくれ、ラステンブルクまで怪しい事が判明したんだ、覚悟は出来ている」
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