誘い

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アイリスの問いかけを受けたミリアリアが静かな口調で応じると女エルフ達め大きく頷き、それを確認したアイリスは小さく頷いた後に野営している残党狩部隊の映像を表示させた。 キャンプを張った残党狩部隊は焚き火を囲みながら談笑しつつ野卑な視線を傍らへと向け、視線の向けられた先では木の枝に巻き付けた鎖付の手枷で無理矢理立たされている虜囚となった女エルフとその傍らで泣きじゃくりながら残党狩部隊の兵士に羽交い締めにされている女エルフの姿があった。 「……あれは、第四騎士団副団長のイライザ・フォン・アルハンゲリクス様!?」 「横にいるのはイライザ様の従兵のエリーゼ・アストラハンですっ!?」 その痛ましい姿を目にしたライナ達旧第四騎士団所属の女エルフ達は思わず立ち上がりながら驚きの声をあげ、その様子を目にしたアイリスは厳しい表情のまま言葉を続けた。 「捕まってるのは彼女達なんだけど他にも問題があるのよ」 アイリスがそう言うとまるでそれに誘われた様に無理矢理立たされているライトアーマー姿の男性のエルフが3人姿を現してイライザの所に近付き始め、その姿を目にした瞬間ミリアリアや他の女エルフ達も驚愕の表情を浮かべながら立ち上がる。 「……彼等は?」 「……さっきから副団長を凌辱してたのはコイツ等なの、従兵は何もされずああやって羽交い締めにされて副団長がコイツ等に凌辱されるのを見せられてるのよ、最初は無理矢理やらされてるのかと思ったんだけどそれにしてはコイツ等随分楽しそうに副団長を凌辱してるのよね」 ミリアリアの呟きを耳にしたアイリスは冷たい眼差しでイライザを取り囲み野卑た視線で一糸纏わぬ引き締まった肢体を見詰めるエルフ兵を見ながら呟き、それを聞いていたハンナが怒りに震えながら口を開く。 「コイツ等、捕虜なんかじゃありませんっ!!コイツ等裏切った第七騎士団に所属していた連中ですっ!!合同訓練とかの時に何時もイライザ様をやらしい目で見てるってエリーゼが何時もカンカンに怒ってましたっ!!」 「……ハンナとエリーゼは同期で入団していて友人なんです」 憤慨するハンナの姿を目にしたリーナは痛ましげな表情でアイリスに事情を説明し、それを聞いたアイリスは頷きながら口を開く。 「そう言う事情があるんならあたしとしては情も容赦も遠慮も無くロジナの屑どもごとコイツ等も叩き潰すわ、構わないわね?」
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