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霧の月十日深更・残党狩部隊野営地
夜が更けて日付を跨いだ霧の月十日深更、誘導されているとは夢にも思わぬまま魔王のダンジョンへの進路を進んでいる残党狩部隊(1個軽装歩兵中隊、1個魔導兵小隊、1個軽騎兵小隊基幹)は野営地で眠りについていたが虜囚となっている旧第四騎士団副団長イライザ・フォン・アルハンゲリクスと彼女の従兵エリーゼ・アストラハンの2人にだけは安息は与えられていなかった。
イライザは猿轡を噛まされた状態で散々に己の身を汚し蹂躙し尽くした旧ヴァイスブルク伯国第七騎士団所属のエルフ兵達によって汚し尽くされた引き締まった肢体を鞭で打擲され続けており、従兵のエリーゼは両手と両足に枷を嵌められた状態で嘲笑する残党狩部隊の兵士に羽交い締めされたまま鞭打たれ続ける敬愛する上官に対する情けを泣きじゃくりながら懇願し続けていた。
「……っく……ひっく……お願いです……もう、もう止めて下さい……もう……もう十分でしょ……ひっく……これ以上……これ以上したら……イライザ様が……イライザ様があぁ……」
「どうする?もう限界なら止めてやってもいいんだぜ、約束の1人500回づつの鞭打ちに耐えれなかった罰としてその従兵がどうなるか分かってるならな」
泣きじゃくりながら懇願するエリーゼの声を聞いたエルフ兵は延々と続いた凌辱と打擲によって朦朧としているイライザに問いかけたが、イライザは力無くではあったがはっきりと頭(かぶり)を振り、それを確認したエルフ兵は嗜虐の笑みを浮かべて鞭を振り上げながら言葉を続ける。
「それじゃあ続けるぞ、なあに後半分だ、しっかり耐えるんだなっ!」
「嘘つけっ!!さっきから、さっきから、ずっと……ずっと……半分のまんまじゃないかっ!!……イライザ様!!……イライザ様!!……イライザさまあぁぁっ!!!!」
エルフ兵の言葉を聞いたエリーゼがもがき慟哭の叫びをあげ続ける中、非情な責め苦は更に延々と続いたが、イライザは朦朧とした意識の中最後まで屈する事は無く、それに根負けしてしまう形となったエルフ兵と残党狩部隊の兵士達だったが、彼等は動じる事無く、朦朧とした状態で地面に崩れ落ちてしまったイライザとその傍らに泣きじゃくりながら這いずる寄るエリーゼの姿を蔑みの笑みで見下ろしながら口を開く。
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