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怒りに身を任せ、肉食動物にでも変身して襲ってくるのかと思ったが、そんなこともなく、ただ涙目になって去っていった。
これでデートの邪魔になりそうなものは無いと考えていたのだが、ふったのがアダになったらしい。その翌日、先輩と出くわすことになる。
デート当日、ボクは浮かれて30分早く来てしまったが、佐辺さんもわりと早く来てくれたので、あまり、待たずに済んだ。
最初は、ぶらりと案内する予定だったが、佐辺さんがあまりに寒そうだったので、ボクはまず服を買いに行くことを提案した。
佐辺さんは、何を着ても似合うため、ボクはいくつもの服をプレゼントした。
先輩たちと会ったのは、その店を出てすぐのことだった。
この先輩は、落ち込みやすいため、ふられれば4日ぐらいは家でふさぎこんでいると思ったのに。
まあいいや。どうせ、ボクには勝てないんだし。
少し遊んでやるか。
最初、佐辺さんに絡んでいったのは意外だったが、ボクが挑発をしたらボクの胸ぐらを掴んだ。
ボクはその瞬間、意識を失った。
と言っても、別に気絶したわけじゃない。
ボクの体が意識を失い、気絶に近い状態になっているだけで、ボクは魂となり浮かんでいた。
まず憑依するのは、取り巻き1号、キミに決めた。
取り巻き1号の体に入ると、ボクを殴りかかろうとする先輩の方に近寄った。
先輩の腕が当たる瞬間、ボクは取り巻き1号から憑依を解除した。
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