第4話:憑依(復讐と悪戯)

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先輩の腕が当たり、キレイな弧を描き宙を舞っていく。 そのまま近くのゴミ箱にドボン……が理想だったのだけど、そこまでは上手くいかず、地面に首から着地した。 さすがに、ひどい着地だったので、魂の状態のまま安否を確かめていると、 取り巻き2号の助言を聞いて帰ろうとする先輩。 もうお仕舞いか。 なら、もう少し遊んでおきたかったけど、デートに戻るため、終わらせようか。 ボクは先輩に憑依すると、取り巻き2号を巻き込んで勢いよく転んだ。 これで今日1日邪魔することはないだろう。 少し離れると、佐辺さんが店の方に戻ると言い始めた。 まだ目を覚まさないだろうけど、危ない。 ボクは一緒に戻ると言ったが、逆に先輩たちともめるきっかけになるかもしれないと止められた。 確かに、あんな煽った態度を見せれば、また喧嘩になると思うのもムリはない。 ボクは魂だけの状態で後を追った。 そこで見たのは衝撃の光景だった。 佐辺さんが倒れた先輩に手を当てると、先輩の体がみるみる佐辺さんの姿に変わっていった。
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