第4話:憑依(復讐と悪戯)

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ボクの中で、何かの感情が沸き上がったが、それが何なのかはまだわからなかった。 今まで憑依で色んな人を騙してきたボクを騙した辺見への嫌悪感だろうと思い、ボクは、復讐のためレイカに憑依した。 レイカの体は相性がいいだけでなく、都合がいい。 レイカはよく問題を起こすため、事件経緯なんてものも調べられずに済む。 この前も、ボクは憑依などしていないのに、タクミに対していじめをしていたらしく、取り巻きたちから離され、校長に呼び出されていた。 レイカであれば、辺見と佐辺さんとの関係を知ってしまったとかでタクミ同様、「男が女のふりをするなんて気味が悪い」としていじめたという動機が作れる。 まあ、いじめることはしないが、このレイカの体と遊んでもらおう。 そう考えて、ボクは学校を休むと、魂となって授業中にレイカに憑依した。 「あれ?なんかいつもと感覚が違う。」 「え?なんで、アタシ勝手にしゃべってるの?」 !? ボクが憑依すれば、普通の人間であれば意識を失うはずなのに。 少なくとも、ボクの憑依と相性のいいレイカであればどんな状態でも意識を失うはずなのに。 ボクが憑依しても、レイカの意識は失われていなかった。
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