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「あれ?なんかいつもと感覚が違う。」
アタシの口が勝手に動いた。
「え?なんで、アタシ勝手にしゃべってるの?」
授業中の不意な発言に、みんなの視線がアタシに向かう。
「あ、あの~」
「体調悪いのでトイレに行ってきます。」
言ったのはアタシではない。
アタシが言っただが、アタシの意思で言ったわけではない。
アタシが言ったではないが、こんな状態で授業なんか受けられるはずよない。
アタシは、豊橋の返事も待たずに教室を出た。
トイレに駆け込んだアタシは、
「前に豊橋先生の中に入ったときも同じようになった。」
と、また勝手に喋りはじめた。
中にってどういうこと?
「豊橋先生のときと同様……あのときは教員だから何らかの防御魔法や妨害魔法がかけられていたのかとも思ったが……」
魔法?そんなもの信じてもいないにも関わらず、アタシの口からそんな言葉が出た。
「レイカでも同じ状態になるということは、(憑依)の仕方が悪かったのだろうか?ともかくこうなってしまうと、長い間体から抜け出せなくなってしまう。」
「長い間ってどれぐらい?そもそもアナタは誰なの?私の中に何かいるの?」
「おっと、また考えたことが口から出てしまった。豊橋先生のときもそうだったけど、こういう精神同居状態だと、体の制御が難しい。それにいつもより魔力の消費がはげしい。」
アタシは、一人で話す姿を誰かに見られないように、トイレの個室にこもったが、
「豊橋先生のときよりは制御がききそうだけど、これだと、復讐しているこの状態で正体明かされそうだし、このまま少し遊んでみるか……」
「何をするつもり?」
アタシは、恐る恐る尋ねた。
「正直、憑依して人の体で遊ぶのにも飽きてきたところだったけど、こういう状態でやるのは新鮮だな。」
アタシは、アタシの口がニヤリと笑うのがわかった。
もちろん、アタシには笑える余裕なんてない。
(自主規制によりカット ご想像にお任せします)
アタシは、乱れた制服を着直すと、誰かに相談するためにトイレから出た。
こんな夢(悪夢)や魔法みたいな……現実にはないような不思議な力……アタシにはどうすることもできない。
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