28人が本棚に入れています
本棚に追加
/69ページ
トイレから出たアタシは、アキラくんとツカサくんに出会った。
私は、息と服装を整え、アキラくんに話しかける。
「あの……」
「まずいな……アキラは、以前失敗したときにボクの能力を知っている。」
またアタシの中の誰かが勝手に話す。
「ん?どうしたの?」
「あの……あのね……」
アタシは、アキラくんに助けを求めようとするが、アキラくんの背後から入江タクミが顔を出す。
タクミは、怯えるようにアタシの方をにらみつけ、アキラくんの制服を掴んで離さない。
タクミをどうやっていじめたかは覚えていないが、いじめたのは確かだろう。
アキラくんから離れないタクミを見ると、妙に腹が立つ。
アタシは、アキラくんがこの学校に来たときからアキラくんの事が好きだ。
だけど、その友達のタクミをいじめたアタシに、アキラくんに助けを求める権利がない。
アタシは、ゆっくりとアキラくんの前を後退った。
アタシには、もうアキラくんに助けを求める資格がない。
そして、これは、アタシの中にいる誰かのせいではなく、これまでのアタシが招いた結果。
アキラくんに恋する権利がない……
アタシは、ゆっくりと振り替えると、アキラくんたちから離れるように走り出した。
最初のコメントを投稿しよう!