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そして、その日の次の日。
彼(彼女?)から恋の相談をされた。
「私、実は好きになっちゃった人がいて……」
顔を赤らめながら話すその顔は、
元々は私の顔なのに、可愛いと思ってしまう。
って、そうじゃない。
おそらく……いや、絶対、アキラくんの事を言っているのだろう。
「でも、同性の私から告白されても困るだけだろうし……」
今度は、目を潤ませている。
ホントに可愛い。
タクミくんが好きになった同性、絶対、アキラくんの事だ。
このままだとホントにタクミくんの意識が女性化してしまう。
私は、買い物の終わりに、タクミくんを学校に連れていった。
その日は休みだったが、祖母はいつも校長室で書類整理をしている。
「おばあちゃん、入るよ。」
「どうしたんだい?」
「あのね、彼にホントの事を話して元に戻ろうと思うの。」
「一人が元に戻ろうとしても戻れないからねぇ。」
「うん……あのね、タクミくん……」
これを話せば、タクミくんには嫌われるだろう。
いや、それどころか、学校には居られなくなるかもしれない。
でも、このまま私が隠しているせいでタクミくんが女性的になっていくのは見たくない。
私は、タクミくんの前で化粧を落とした。
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