28人が本棚に入れています
本棚に追加
/69ページ
倉庫の中は、ホルマリンか何かの液に浸けられたカエルやコウモリに、イモリ?……いや、ヤモリ?……分厚い本や巻物、人間が入り込めそうな鏡や絵画、様々なものがあった。
この前はこの絵の中に入って、難を逃れたけど、それはもうマコトに話してしまったし、今回は変えようか。
私は、倉庫の中を奥へ奥へと進んでいった。
こんなに奥にまで来たのは初めてだ。
というより、
外から見ると、教室ほどの広さしかないのに、体育館より広く感じる。
やっとの思いで奥までたどり着くと、そこには金属の扉があった。
硬くて重い。
私の念動力でも動かすことができなかったが、
「待って。勝ちたいんだろ?入らせてやるよ。」
どこからかやって来た少年……当時の私たちと同じぐらいの年齢の少年……が、扉に触れると、それは突然パカリと開いた。
どこかに隠しスイッチでも、あったのだろうか?
中には、人の皮ののようなものが大量にあった。
「う、うわぁ……」
「あいつも、けっこう研究を重ねたものだな。これなら、計画も成功するかもな。」
少年がポツリと言った?
「え?」
「いや、何でもない。こっちの話だ。それより、勝ちたいんだろ?その皮に入ったらどうだ?」
確かに、人の皮に見えるそれの中に入ってしまえば、どこから見ても私だとわからなくなる。
最初のコメントを投稿しよう!