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ボクは、そのままツカサくんの肩を抱いた。
「安心してよ。ボクがなんとかするから。」
ボクにも解決方法なんてわからない。
だけど、そう言うしかなかった。
「なんでそこまで?」
「君のことが好きになってしまったんだ。女性の佐辺ミツカさんのことも、男性の辺見ツカサくんのことも。変だと思われるかも知れないし、イヤだったら、フってもらってかまわない。それでも、君と離れたくなかった。」
「初めだよ。俺の男と女の両方の性を受け入れたヤツなんて……両親ですら……いや、俺ですら受け入れられないのに。」
ツカサくんは、そのままボクの後ろに手をまわした。
ボクはツカサくんとキスをした。舌がゆっくりと絡み合う。
そのときだった。
再び自分の性と向き合ったためか、ツカサくんの体とミツカさんの体は1つになった。
その後、ボクは、すぐに自分の体に魂を戻した。
それ以降、ツカサくんとはデートを続けている。
ツカサくんが男で、ボクが女性(ミツカさんの姿)としてデートすることもあれば、
ボクが男として、ミツカさんとデートすることも、女性同士や男性同士の姿でデートすることもあった。
未だにボクはツカサくんとミツカさんのどちらが好きなのかはわからない。
きっと、両方好きなんだろう。
中身なんてどうでもいいと思ってたボクが中身も含めて理想的と思えた相手なのだから。
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