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争いは確かに終わった。
しかし、人間の欲望は留まることを知らない。
勝利した勢力は国を形成したが、さらなる国土を求め別の勢力に争いを仕掛けた。
その国にとってぼくは、神だったのかもしれないが、他の勢力にとってぼくは魔王だった。
さらに、ぼくの体には異常が起き初めていた。
ぼくの意思に関係なく、転生魔法は繰り返し実行され、周りの人間が望めば、自動的に魔法の力を与えられていった。
海を割ったり、火山を噴火させたり、星を降らせたりなど、ぼくがさせたわけじゃない。
ぼくは、自分が魔王と呼ばれることを否定しない。
ぼくがいなければ、世界はこんなことにはならなかった。
人間の欲望がつきることなどないとわかっていたはずなのに、ぼくは魔法の力を与え続けた。
その結果が二度の世界大戦。
魔法の力を与えるのを止めようとしたこともある。通常の人間は、魔力の量が増えることはないため、魔法が使えなくなるまで魔法を使おうとしたが、ぼくの場合、転生魔法の繰り返しにより前世からの魔力量が上乗せされ通常の人間とは比にならないほどの魔力量があった上、そのときの行動があだとなり、防衛本能により魔力の自動回復まで身に付けてしまった。
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