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休み時間になると、女子のクラスメイトが寄ってくる。
「ねえねえ、ホントに入江くん?」
「……うん。」
「困ってるって言っていたけど、ホントは楽しんでるんじゃない?」
「え?いや……」
正直言えば、朝は楽しんだけど……
「これからトイレとか更衣室とかどうするの?」
「え?」
「私たちとしては、先生が言ってたように別がいいんだけど。」
「え?……うん、そうだよね。」
オレがそんなやり取りをしていると、アキラが……
「ねえ、少し待ってやってよ。すぐに戻るかもしれないんだし。一番困ってるのは、タクミなんだから。」
女子たちは、バツが悪くなったのか、オレの机から離れていく。
「……ありがとう、アキラ……」
オレは、そう言いながら、赤くなった顔を隠すので、精一杯だった。
女子にどう言われようが知ったことではないが、アキラにはこの赤い顔は隠しておきたかった。
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