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第4話:憑依(復讐と悪戯)
ボクの名前は、兵部マコト。
この魔法学校の同年代の中では、ボクが最古参になる。
と言うのも、ボクの能力は、憑依で、子供の頃は考えも無しに憑依していたため、体から長時間魂が抜け過ぎて、死にかけたところを保護されたのだ。
その頃からこの魔法学校に生徒はいたが、初等部にも入れないぐらいの年の生徒はいなかった。
同世代だと、ボクが初等部に入ってからレイカとショウイチという生徒が入ってきたが、
ショウイチは、ボクとレイカが初等部から中等部に上がる頃には、この魔法学校からいなくなった。
おそらく、魔力がなくなったのだろう。
魔力というものは、通常有限。
ボクの場合で言えば、憑依魔法を使用する毎に少しずつ消費されていく。
そして、RPGなどのゲームと違い、その魔力は回復しない。
魔力が消えても死ぬわけではない。
ただ、魔法は使えなくなってしまう。
だから、この学校で魔法の使用は表向きは禁止されているが、実際のこの学校の目的は、安全な監視下で魔力を消費させていくことにあるのだとぼくは思う。
憑依魔法が使えなくなるのは寂しいが、この寒い学校から出られるのであれば、早く魔力を失いたい。
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