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第6話:部分入れ替わり(カント)
私の名は、鮫島カヤ。
私は、ついに、タクミくんに本当のことを話す決心を決めた。
それというのも、数日前、おぞましいものを見てしまったからだ。
いつものように、タクミくんとウィンドショッピングをしていると、
私たちより少し上の大学部の学生が二人現れた。
というより、走り去っていった。
不良のようなみなりをしているのに、何かに追われているかのように血相を変えて。
その後ろから追いかけてきたのは、体格のいい男性。
何があったのかと目で追うと、体格のいい男性が二人を路地裏に追いつめて、
「あの日、抱かれてわかった。」
「何言ってるんですか?」
「俺たち、あの女を好きにはしましたけど、それが何か悪かったですか?」
「もうお前たちじゃないとダメだ。」
「え?ちょっと……」
「いや、待ってください。」
体格のいい男性が二人を押し倒し……私は慌てて目を背けた。
その三人に何があったのかは知らないが、タクミくんが元に戻れたとしても、早く戻らないと、男性の体でアキラくんを押し倒したりしてしまうのかもしれない。
そうでなくても、彼(彼女?)の心はどんどん女性的になってしまっている。
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