第9話(最終話&あとがき):皮(魂の牢獄)

1/7
27人が本棚に入れています
本棚に追加
/69ページ

第9話(最終話&あとがき):皮(魂の牢獄)

ぼくの名前は柳本アキラ…… というか、ここまで読んだならもうわかってるだろう? ぼくが神や魔王と呼ばれた存在だ。 魔王といっても、この作者が以前書いた小説『刀と忍法の世界』の「魔王」とは異なる存在だ。 正確には、ぼく自身が神や魔王というよりも、ぼくのいくつかの前世の行いがそういった認識をされたというだけだ。 ぼくは、狩猟中に死んでいった仲間を見て「人を助ける力が欲しい」……そう願っただけだった。 そのとき、初めに手にしたのは、転生魔法の力だった。 転生したのは、初めにいた部族から少し離れた場所の部族だった。 元は同じ部族だったのかもしれないが、文字や絵などの伝達手段なかった頃では、少し離れているだけで未知の存在となっていた。 ぼくは、その部族をかつての部族と合流させた。 初めはいざこざもあったが、ぼくが死ぬ頃にはまとまっていった。 ぼくは、転生魔法で様々な場所に様々な事を伝えていった。火の使い方から文字の使用方法、石器や農耕まで。 だが、やがて力を持った部族が対立しあうようになり、互いを殺しあう争いをはじめた。 ぼくは、念動力や変身魔法で争いを止めようとしたが、ぼくだけの力ではどうにもならなかった。 ぼくは、あえて1つの勢力に加担するようにした上、力を望む者には力を与えていった。
/69ページ

最初のコメントを投稿しよう!