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「……ありがとう」
ユーフェンの顔を見るのは恥ずかしく、うつ向きながら言った彼女に、彼はまたクスリと笑った。
純粋な彼女が何とも愛しい。
そしてリオンも。
(ユーフェン……好きだよ)
爽やかで甘いユーフェンの香りに包まれながら、彼女は目を閉じた。
できることなら、ずっとこのままで居たい。
ユーフェンの近くに――。
リオンは彼の服の裾を握った。
(時間が、止まってしまったらいいのに……)
そんな彼女の心情も虚しく、部屋には早々に着いてしまうのだった。
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