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日々が巡ることに、うまく感情を沿わすことが出来ない。
人間ある程度、陽の光を浴びなければ死に絶えていくと知っていても、朝日が上ってくること、夕陽が沈んでいくことに、感激できる余裕なんてどこにもない。
どうでもいい生活。
それが現在いまの日常。
生きることを放棄しているような、投げやりな毎日。
外に出る用事と言えば、ベランダにあるゴミ箱の袋を取り替えるくらいで、
それも大家がうるさいから仕方なく守っている。ここもいつまで住めるかわからない癖に。
けれど、それがもはや人間としての俺を保っている唯一のことのような気もしている。
今日もまた、袋を取り替える為だけにベランダに出る。
俺にとって、季節の変わり目に触れる機会はこの瞬間だけ。
夕方は暗いのに、下校中の小学生たちの笑い声が聞こえてくる。
楽しそうな声。ちょっとしたことが面白くて、ゲラゲラ友達と寄り添いながら、ひと回り程大きいランドセルを無造作に揺らす。
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