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だが、仕事という現実を目の前にすると、大人は、条件反射のように
社会人の顔に戻ると実感する。
そして、冷や飯食いのままスタートした新年の仕事も三日目。
朝一番で、マネージャーの桑部に真友子は呼ばれた。
「年も新しくなったことだし、ここは心機一転して、新しいプロジェクトを
お願いしようと思うんだ」
どうやら、年が改まったということでようやく営業部も怒りの矛を収め、
冷や飯食いから脱せられる機会が与えられるらしい。
そしてそれは、真友子も素直に嬉しかった。
「ありがとうございます。今度は、もう少し慎重に進めます」
「ああ。失敗は肥やしにすれば、力の源になるからね」
「それで、今度のプロジェクトというのは?」
「規模としては、いささか小さい。
でもまぁ、久しぶりの肩慣らしにはもってこいだろうし、みんなでしっかりやってくれよ」
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