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「お砂糖とミルクは?」
要らない、ありがとう。
小さくかぶりを振った彼の隣に、真友子も腰を下ろす。
その途端、ボソリと大祐が言った。
「あの、なんかごめん……」
「昨夜のこと?」
うん。
自分の膝の上に視線を落とした大祐が、しょげたように頷く。
真友子は、そんな彼に目を向けて淡く笑った。
「お互い、恋人とどんな夜を過ごしても、もう叱られる年でもないじゃない。
第一、ハプニングで出会った私たちらしい近づき方だったと思うわよ」
なるべく自然な声音で言うものの、まだ大祐の視線は落ちたまま。
「でも僕たち、まだ付き合い始めたばかりなのに……」
ごめん……。
更に項垂れる彼の手に、真友子は、そっと自分の手を重ねた。
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