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「大ちゃん。私は、大ちゃんとたくさん一緒にいられる大きなきっかけが
出来て、嬉しいわよ」
まぁゆ……。
それでようやく、おずおずとした大祐の視線が真友子に向けられた。
「それにね、まだ立てこもりも続いてるみたいなの」
「うそっ!」
本当。
真友子は、目の前のテレビのチャンネルをいくつか変えて、見慣れた光景を
映す映像を探しだす。
はぁ……。
昨夜と変わり映えしない画を目に、大祐が細く声に出して溜息を
ついた。
「ねぇ、大ちゃん。元日の明日はご実家に帰らないとでしょうし、
今日は、念のために服を買ってきておいたらどうかしら。
もしなんだったら、買った服はここに置いて行っても構わないから」
「うん、なんかそうした方がいいみたいだね」
そして真友子は、「ねぇ、大ちゃん」とちょっと伺うように大祐に目を
向けた。
「もし事件が解決したとしても、お休みの間は、ここで一緒にいない?」
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