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11 まさかの先は猿(つづき)
後から考えれば、どうしてそんな脆い境界線で理性が保てると思ったのか
分からない。
だが、その提案に淡く笑った真友子が、「大ちゃんが、そうしたいなら」と
頷いてくる。
その結果、細長く丸めた毛布を間に、大祐は真友子と一緒にベッドに
横たわった。
真友子の温もりで暖まったベッドの中は、ソファとは比べ物にならないくらい心地良かった。
しかし同時に、大祐は、己の甘さをひどく後悔することにもなった。
ヤバい……。
実際、暖かいベッドで大祐を包んだのは温もりだけではなく、彼女の甘い匂いにすっぽりと覆われていた。
そしてそれに、我慢を喚く理性とは裏腹に、体は正直に反応する。
そして、そんな状況にモソモソしていたからだろう。
「眠れない?」
ポツリと隣から尋ねられ、慌てた大祐に、更に真友子の細い声が言う。
「やっぱり良い子で一晩は、ちょっと無理かしらね」
小さく笑った真友子の手が、そっと大祐に触れた。
「大ちゃん、もう良い子じゃなくてもいいよ」
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