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その日からアリエスは行動をすることにした。アリエスはお菓子屋で働いていたが、店長に村を出ると話して、今日を含めて6日で仕事をやめると話した。突然のことに驚いていたが、この村で働いていても忙しいこともなかったため、突然の言葉であっても受け入れてくれた。
すでにウォーヴァ―が村を出ることは知っていたようで、追いかけて行くのだろうと言われた時アリエスは驚いていた。どうやら、この村の多くの者がアリエスがウォーヴァ―を好きだと知っているようだった。
そのことに照れ臭く感じたが、アリエスはいつもと同じように仕事を頑張った。
そして、帰宅したら両親を説得した。しかし、両親は認めてはくれなかった。仕事はあと6日でやめることに了承を貰っていると話しても、話をつけてなかったことにしてもらうと言い出す始末だ。
アリエスの両親は、どうしても村から出したくはないのだ。1人娘ということもあり、心配なのだろう。だが、それが嫌だった。アリエスのやりたいことがあっても、危ないからとやらせてもらえないことも多くあった。村を出ることを認めてもらえないのならアリエスにも考えがあった。
「わかった。私は今ここで家族の縁を切るわ。それなら、無関係になるから私の勝手よね。数日は居候させてもらうけど、家賃を払って出て行くから安心して」
その言葉に両親は慌てた。考え直せと言ったが、アリエスの考えは変わらなかった。毎日いつも通りに出勤し、いつも通りに帰ってくる。そして、荷造りをする。
着替えだけでも大荷物になり、持って行くのは大変だと荷造りのし直し。それの繰り返しだった。
そして6日間仕事をし、終わった時にアリエスはそれまでの給料を貰った。しかし、それはいつもより多かった。他の人より1週間早く給料をもらうのに多いことに驚いて、多い分を返そうとしたが店長は首を横に振った。
それは、従業員全員と話して入れたのだという。街では大変だが、諦めず頑張りなさいという言葉にアリエスは何度も頷き、頭を下げた。
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