マスクに依存している私

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マスクをためらいなくつけるのが日常になっていたある日のこと。 たまたま耳に入ってしまったクラスメイトの言葉。 「……マスクしてるのってさー、ニキビが気になるからかな」 「絶対そうだよー」 ドキリとした。 ちらりと教室の隅を見れば、 クスクス笑っている女子ふたり。 名前は言っていないが、 視線は明らかにこちらを向いている。 図星だった。 マスクをしているのは表情を見られたくないというのもあるが、なかなか治らないニキビを見られたくないという思いもあったのだ。 笑っている2人はとびっきり美人というわけではないのだけど、ほんわかしていて可愛い感じの子。 ニキビができたって、治りにくくて困ってるんだよねって可愛く笑って過ごすのだろう。 私とは違う。 可愛くないし、周りが気になりすぎて最近じゃ表情すらもどう作ったら良いのかわからなくなってしまった私とは。 この日を境にして、 私はもうマスクを手放さないと誓ったのだった。
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