消しゴムが…

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消しゴムが…

 ぽてっ。  何かが落ちた。  僕は確信した。これはまずい。  音でわかる。ぽてっ。  ぽてっと、ヤツが落ちた。ぽてっと。ぽてと。ポテト……ふふっ。  いや割とマジで笑っている場合じゃない。  状況を説明しよう。  今は学年末考査なう、ということでクラス全員が答案用紙に釘づけ状態だ。  そんな中、僕の使用していた消しゴムが落ちたのだ。  僕の高校は謎の決まりがある。考査中に落し物を拾ってはいけないという決まりだ。  どうやら、拾う際にカンニングをするという懸念があるからだそうだ。そんなやついるのか。  万が一、物が落ちてしまった場合は試験監督の先生に拾ってもらうのだそうだ。……なーんて面倒なことしたくないよなぁと考えていた矢先のことだった。こいつは落ちた。  文字を消し、机の上の消しカスを手でほろっていたとき、その手がたまたま消しゴム本体にぶつかって落ちてしまった。  し、か、も、だ。  落ちたそいつは何を思ったか遠くへ行ってしまった。ちょうど僕の机から三つ目の机の場所くらいまで転がって行った。  その瞬間、今までにないくらい消しゴムへの怒りがどっと沸き上がった。     
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