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「このカオスな現代社会には、謝りたくても謝れない人々が数多くいる。俺はそんな人々に代わって謝るために生まれた戦士。だからこそ、今もこうして謝っているのだ。ごめんなさい」
「……じゃあ、わたしたちが謝りたくても謝れない人々だって言うの?」
「ああ。特におまえからは、謝罪の言葉をどう切りだしていいかわからない子羊のようなオーラを感じるぞ」
うまいようなうまくないようなたとえをし、ゴメンナーはチャコを指さした。
チャコは一瞬驚いたようだが、すぐにうなずいた。
「ええ、あなたの言うとおりよ。わたしは謝っても許されないことをしすぎたの」
伏し目がちに俺を見て、チャコが尋ねてくる。
「ねえ、ヤマト。前世の記憶が戻ったのなら、不思議に思うことがあるでしょ?」
「神が願いを叶えてくれるのは一度だけ。しかし、俺たちは何度も前世の記憶を引き継いでいる。違うか?」
俺もチャコも神に願い、一度ずつ叶えてもらっている。
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